夢であった人に恋をする
実際に恋をしたわけではないが。
夢をみた。
駅のホーム。私は凍えていた。
ガタガタ震える私の方に、暖かな革のコートがばさりとかけられる。
振り返ると、(夢の中では)知った顔が、電車がホームに入ってきたと手で示し、私と一緒に座席に座る。
その人とたわいもない言葉をかわす。
笑いながら、私は暖かさにほっと息を吐いた。
目が覚めて、あんな感じの人は身近にいないのだがと夢占いを漁る。
そこで「夢であった人に恋をした」という人がちょこちょこいるのに気付く。
もう一度会いたい、とは別に思わないが、あんなふうな人に出会いたいものではある。